色とりどりの君へ

僕は石だ。

自分の形はよく知ってるし、

ご近所の奴らの形もちゃんと覚えてる。

でも自分の色はよくわからない。

皆同じナリをしてるから。

 

硬いってことも知ってる。

それで傷つくやつもいるらしいけど、

それが僕の取り柄でもある。

 

でも君は色だ。

 

君が硬いか柔らかいかなんて僕は知らない。

動くのか動かないのかも解らない。

 

初めて見たものだから多分それが色なんだろう。

 

だから君も初めて僕を見たのなら、

僕は君に硬さを教えよう。